ウェイソンの4枚カード
人間の論理の不思議
人間の推論は、純粋に論理的なものではなく、文脈等に影響されることがあります。 認知心理学を初め、社会心理学や行動経済学で議論されるてーまです。
4枚カード問題
4枚カード問題とは、人間の推論を調べる課題です。認知心理学の実験で良く用いられます。理系大学生でも正当率が高くないという結果が多く報告されています。問題は以下のようなものです。
4枚のカードがあり、それぞれ片面にはアルファベットが、もう片面には数字が書かれている。
| A | F | 4 | 7 |
「片面が母音ならば、そのカードの裏は偶数でなければならない」というルールが成立しているかどうかを確かめるには、どのカードを調べる(引っくり返してみる)べきか?
答えは、「A」と「7」。 ルールは、母音と奇数が同じカードを禁止しているので、「Aの裏が偶数か?」と、「7の裏が母音か?」を調べるのが正解。
よくある誤答
ウェイソン課題に対しては、「A」「4」とする解答がよく見受けられます。 「4」のカードを調べても、条件を満たすことを確認するだけです。 心理学では確証バイアスと呼ばれています。 人間の思考パターンには、正しいことを確認して満足する、という傾向があるようです。
日常的なテーマだと正当率が上昇
4枚カード問題と論理構造が同一な問題を、身近な話題で試してみると、正当率が上昇することが報告されています。 例えば下の問題はどうでしょう。
4人が飲物を飲んでいる。
| ビール | 烏龍茶 | 28才 | 17才 |
「アルコール飲料を飲んでいるならば、20才以上でなければならない」というルールが成立しているかどうかを確かめるには、どの人を調べるべきか?
答えは「ビールを飲んでいる人」と「17才の人」です。 論理学上は4枚カードと同じ問題なのに、正当率は大幅に上がる、という実験結果が出ています。 人間は、どうやら純粋に論理的な推論を行っているのではないようです。
Johnson-Laird&Wasonのウェイソンの4枚カード問題は、現在も研究が続いている問題です。もっとも、認知科学や心理学における有名な問題の多くがそうですが。 また最近では、心理学の影響を受けている行動経済学(例えば、友野典男著光文社新書)でも取り上げられることがあるようです。