行動経済学

ノーベル経済学受賞で一躍有名になった、ダニエルカーネマンとエイモストヴェルスキーのプロスペクト理論の他、心理学で良く知られている事象に基づく、人間の経済学(限定合理性を前提とする経済学)の入門書。

第一章でいきなり問題が出題される。 モンティホール問題(クイズ番組の司会者名から。あるいは三囚人問題、リストリクテッドチョイス等)、アテネのタクシー問題、ウェイソンの4枚カード問題、美人投票問題、最終提案問題。 最初の2つは、ベイズ理論に基づく条件付確率と人間の感覚とのズレを扱ったもの。 3つ目は、数学の論理と人間の論理の違いを扱ったもの。 最後の2つは、ゲーム理論(他プレイヤーとの駆け引き)を扱ったもの。 心理学や認知科学で良く議論される題材であるが、本書はこれらを踏まえて古典的な経済学を見直すことを目的とする。

この他にも、プロスペクト理論、フレーミング理論、サンクコストの認識等、心理学の重要な知見を学ぶことができる。 心理学に興味のある者、経済学に興味のある者、どちらにもおすすめできるおもしろい本である。

人間の心理がいい加減ではないことはもちろんである。利得より損失を過大評価するのも、生物の生存における非対称性(怪我や飢餓等の損失が一定を越えると不可逆な死に至る)ことを考えれば、損失を極度に恐れることこそ致命傷を避けるために役立ったであろう。

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